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#05-モハヴィ   バーストウ~アンボーイ

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朝五時に起きた。

ついに今日から砂漠越えが始まる。

バーストウからニードルズ、約300kmの砂漠を駆け抜ける。

前日はこのモハヴィ砂漠の情報をネットで探していたが、余り確実な情報は無かった。

そして過去に自転車でこのアメリカ大陸を縦横断してきた先輩方、半数はモハヴィ砂漠をバスで通り

過ぎていた。

想像通りの場所なのだろうか。



モーテルをチェックアウトし、ペダルを漕ぎ始めたがこれから先何があるかわからない為の大量の水

10リットルが一漕ぎ一漕ぎに負担がかかっている。


ルート66を東に進んで行くと海軍基地にぶつかった。

ゲートで仁王立ちしている男性にどうしても東に進まなければならないと説明すると、

今来た道をちょっと戻ってフリーウェイに乗れとの事。乗ったら一つ目の出口で必ず降りろと。

そうすればまたルート66に乗れるからと。

前回のフリーウェイ敗北からして本当に乗りたくなかった。
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案外早朝という事もあり車の往来は少なく、すんなり通過できました。


しかしもうすでに暑い。

もう水がお湯になっている。
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もう今やフリーウェイのおかげで使われなくなったルート66。

ひび割れが激しくその振動が直に手と尻に響く。
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過去の遺物がまだこの地に散りばめられている。
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センチメンタルという言葉が正しいのかわからないが、そんな感情を抱きながら走っていた。

そして

映画の舞台にもなった、「バグダッドカフェ」が見えてきた。
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中に入ると各国から来た観光客のメッセージカード等が壁一面に貼られており、
年期というか物語というか深みが感じられるそんな印象だった。

「日本から来たのか?」

「はい」

「そこに座ってコーラでも飲みな」


「これにメッセージ書いてくれ」

と一つのノートを渡された。

その中を見ると訪れた人達のメッセージが書いてあった。
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店員の男性と色々話した。

自転車で何処に行くんだとか今日はどこまで行くんだとか、この前日本の映画チームが

ここで撮影したぞとか。

本当に居心地のいい空間だった。
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会計をしようとすると、いらねーよ早く行かないと暑くなってくるぞ、と。

おまけに氷入りの水までもらった。

自分が逆の立場だったらここまで本当に出来るのだろうか。



俺は東を目指した。

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とにかく道が悪い。
気持ちがなえてくるほどこのオフロードが続いていく。

途中横を平行して走っているフリーウェイで事故があった模様。
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蜃気楼
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なんか、一人で走っていると色々な事を考えながら走ってしまう。

このまま水が無くなったら俺ってどうなるんだろうとか

このまま走り続けても街には着かないんじゃないかとか

何の為にこんな辛い事してるんだろうとか。

実際二日前にフリーウェイで助けてもらったラウルも今の時期のモハヴィだけは止めとけと言ってた。

そんな事だけが朦朧としている頭の中をグルグル回っている。

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なんでこんな辛い事してるんだろう。。




そして熱風。

サウナで扇風機を回していると言う感覚が一番近いかもしれない。


ひたすら漕ぎ続けた。

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バーストウから走り始め90km。

やっとラドロウに到着。

当然この暑さのせいで食欲がまったく無いが、食べなければ死んでしまう。

無理矢理胃の中に押し込んだ。
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そしてこのラドロウで温度計を見てしまった。

103F=39.4℃

まだまだこの先は長い、まだまだ気温も上がってくる。

でも今の自分は進むしかないのかもしれない。

無理はしたくないし本当に今の時期のモハヴィ砂漠の移動は生死がかかっている。

死んで悲しませたくない人達も僕にはいる。

こんな意味があるのか無いのかわからない旅に対し、命を賭けたくないのが一人の人間としての本音。

でも、こんな過酷な状況の中で何故か先に行ける気がした。

何かに守られていて、どんなトラブルが起きてもどうにか乗り越えられる自信みたいな物が何故かあった。


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まっすぐに伸びている道をとにかく漕ぎ続けた。

進んでは休み、進んでは休み。
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そうしてると
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たまたまかも知れないが自分の進む道だけに雲がかかり、日陰が出来ている。

しかも追い風も吹き始めた。
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自分の進む方向と一緒に雲も動いてくれている。

雲と風に助けられ、今日の目標のガソリンスタンドがあるであろうアンボーイまで。
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到着。

とにかく冷たいものが飲みたい。

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もう五時、今日は野宿しなきゃいけない。

どうしようと考えていると、

何処から来たんだと、ジュースを買った店の店主。

もうこの先に行くのは無理だろう?

店の裏にちょっとしたスペースがあるからそこ使え、と

一晩ここでスリーピングしてまた朝出れば良いだろうと。


ありがとうございます。

何も言ってないのに、本当にありがとう。セス。
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夕日を見ていたら何故か胸が締め付けられる感じがした。

明日も絶対乗り切る。


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走行距離 138km
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by squarebowl | 2011-07-07 14:43 | カリフォルニア | Comments(5)
Commented by suwa at 2011-07-10 03:45 x
何とか生きているみたいだな‼
長い道中で不安になるかもしれない。
一番怖いのは、自分を信じなくなる事だ‼
何の為にやっているか分からないが、自分の気持ちに正直に進め‼
以上
Commented by Bro at 2011-07-10 08:00 x
いい人達と巡り逢えてホントよかった(T_T)昨日はこっちもホント暑かった!!もうすぐ梅雨明けかな?体調には気を付けて~
Commented by ケッパ at 2011-07-10 10:01 x
日陰ひとつない灼熱地獄みたいな状況でよくやってるなと思う!俺が想像する以上に過酷なんだろうな。日焼けも相当体力奪うしね!
無理しない程度に一歩ずつ前へ頑張れ!
Commented by Bro at 2011-07-10 11:23 x
モハヴィ砂漠走破おめでとーヽ(;▽;)ノ
Commented by ココママ(=^・^=) at 2011-08-02 01:29 x
過酷な中でのいい出会い、異国だからなおさら感激ですよね、モハヴィ砂漠よく頑張りましたね\(^o^)/
翼くんのこの頑張り見てたら自分ももっと頑張らなくちゃと思う・・・
翼くんのブログに出会えた事に感謝☆です。